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EU化粧品の成分表示名、2026年7月30日から新グロッサリーが必須に 処方変更と混同しない見方

EU化粧品の成分表示名、2026年7月30日から新グロッサリーが必須に 処方変更と混同しない見方

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使い切りかけた輸入コスメを買い直そうとして、手元の容器と販売ページの成分欄を並べる。すると、見覚えのない名称が混じっている。以前と同じ商品を選びたい人にとって知りたいのは、その言葉の意味だけではなく、「ラベルの呼び方が改められたのか、中身まで変わった可能性があるのか」です。EUの成分名称グロッサリー更新は、この二つを考える手掛かりにはなりますが、個別商品の処方を保証するものではありません。

制度で分かることと、現物で確かめることを分ける

グロッサリーの更新によって、従来と同じ原料でも表示名の訂正や置き換えが必要になることがあります。ただし、買おうとしている商品が旧品と同じ処方かどうかは、制度の説明だけでは決まりません。比較する表示の販売地域や版をそろえ、成分欄全体を対応させ、それでも判断に必要な情報が足りなければ販売者へ現行品の表示を尋ねる。この順序なら、知らない名称への印象と、買い直しに必要な確かさを切り離せます。

グロッサリー更新は「新原料の一斉導入」ではない

欧州委員会の実施決定(EU)2025/1175は、EU化粧品規則(EC)No 1223/2009に基づく共通成分名称グロッサリーを更新したものです。決定は2025年6月16日に採択され、同年7月10日にEU官報へ掲載されました。2025年7月30日から一年間は新旧どちらのグロッサリーも使用でき、移行期間終了後の2026年7月30日から更新版が必須になっています。[1][2][3]

収載名称は30,070件から30,418件へ増えました。しかし、この348件の差を、そのまま新しい原料の数として読むことはできません。更新には名称の追加だけでなく、誤記や欠落の訂正、使われなくなった名称の削除、新しいINCI名への置き換えが含まれます。毛髪染色用以外の着色剤について、該当するCI番号がある場合にColour Index(CI)名称を用いる整理も盛り込まれました。中身を入れ替えなくても、参照する共通語彙が変われば外箱の記載を直す場合がある、というのが制度から読み取れる範囲です。[3][4]

逆にいえば、販売ページに「新基準対応」と書かれていても、それだけで旧品と同一処方だとはいえません。その表現が直接示すのは、更新後の名称体系に沿った表示であるということです。刺激が起きないこと、安全性が高まったこと、個人が避けたい成分を含まないことまで意味する言葉ではありません。

比べ始める前に、同じ商品の表示かをそろえる

手元の旧容器は、買い直しが済むまで捨てずに成分欄を読める状態で残します。ただし、すぐに単語を突き合わせるのではなく、候補の表示が同じ製品、同じ販売地域のものかを先に見ます。EU向け外箱、日本正規流通品の日本語ラベル、越境ECに残った過去の掲載画像を混ぜると、名称基準、言語、撮影時期の違いまで処方差に見えてしまうからです。

日本では、化粧品の成分名称を邦文名で記載し、日本化粧品工業会の「化粧品の成分表示名称リスト」などを利用するよう厚生労働省通知で示されています。EUの共通名称と関係はあっても、日本国内向けラベルは日本の表示ルールを通ったものです。EU向けの英語名称と日本語ラベルの語形や掲載順が一致しないことだけを根拠に、偽物や別処方と結論づけることはできません。[6]

可能なら、旧品と候補品の販売地域を合わせて比較します。別市場の商品を選ぶなら、単語の完全一致を求めるより、購入後にも成分情報へ戻れるか、疑問が出たときに問い合わせられるかを含めて候補を絞るほうが実用的です。

成分欄は、違う名称だけを抜き出さず行ごとに追う

比較対象をそろえたら、二つの成分欄を同じ向きに置き、冒頭から対応を追います。ここで初めて、差の広がりを読みます。旧表示の一名称が新表示では別名になっている一方、その前後を含むほかの記載が対応しているなら、名称の訂正や置き換えと整合する変化です。一方、何か所にも追加や削除があり、ブランドからリニューアルも案内されているなら、グロッサリー更新だけを理由に以前と同じ中身だとは扱えません。[1][3][4]

ここで得られるのは、あくまで表示された名称同士の関係です。成分欄がよく似ていても、配合量や原料の供給元まで以前と同じだと証明することはできません。反対に、名称が一つ違うというだけで別原料に変更されたとも断定できません。ブランドの案内がある場合は、表示比較とは別の情報として重ねることで、名称基準への対応なのか、製品自体の更新なのかをより慎重に読めます。

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末尾付近の並び替えだけで配合量を推測しない

名称がほぼ対応していても、記載順が動いていると「この成分が増えたのでは」と感じることがあります。しかし、日本の表示では、配合量が1%以下の成分を順不同で記載できます。少なくとも日本語ラベルの末尾付近で位置が変わったという事実だけから、特定成分の増減を決めることはできません。[6]

順番の変化は無意味なのではなく、それだけでは結論に足りない情報です。実際に名称の出入りがあるか、公式の製品更新が告知されているか、比較した画像が現行品を示しているかと合わせて扱います。表示位置だけを配合量へ直結させないことで、名称変更とは別に調べるべき差を見失いにくくなります。

移行期間の混在と、商品画像の古さは別に考える

今回の更新には一年間の移行期間がありました。その間は、店頭やEC上で従来表記の外箱と更新後の外箱が並ぶことがあり得ます。古い名称が写っているだけで期限後に製造された不適合品と決めることも、新しい名称が載っただけで中身まで新しくなったと考えることもできません。ラベルがどの時点の版かと、処方が変更されたかは別の問いです。[1][3]

ロット番号は、製造時期をメーカーや販売者へ問い合わせる手掛かりになりますが、番号だけから処方の同一性は読み取れません。パッケージの色や文字配置が変わっていても、名称基準への対応に伴う外装更新かもしれません。反対に外観が同じでも、ECの掲載画像が発送される現行品を表しているとは限りません。

小売・EC側には商品ごとの成分データを更新し、表示名を検証する負担があるとも指摘されています。それでも、写真一枚から撮影時期や発送品の表示、現物の処方まで推測することはできません。[5] 画像が古い可能性に気づいたら、表示比較を無理に続けるのではなく、自分の購入判断にどこまでの確かさが必要かへ問いを移します。

避ける成分があるかどうかで、注文前の確かさは変わる

手元の品を問題なく使えていて、特定成分を避ける必要もなく、名称変更の背景を知りたいだけなら、すべての候補から現物写真を取り寄せる必要はありません。到着後に表示を読み、旧容器との差を記録する選択もできます。表示版が違う可能性を受け入れられるなら、購入前に処方の同一性を断定しないまま進む余地があります。

一方、特定成分の有無が購入可否を左右する場合、古いかもしれない掲載画像は判断材料として足りません。販売者へ「掲載された全成分は発送予定品に対応しているか」「現行パッケージの成分欄を提示できるか」と尋ね、実際に発送される版の表示を基準にします。回答がなく、回避対象を注文前に照合できない商品は見送れます。未知の名称を危険と決めつけるためではなく、自分に必要な購入条件を満たせないためです。問い合わせ先が明確な日本正規流通品や、現行の成分欄を読める別候補へ替えれば、画像から中身を推測して注文する必要はありません。

医療機関などから特定成分を避けるよう案内されている人も、30,418件の名称を自分で安全・危険に分類する必要はありません。案内された具体的な名称が更新後の表示で何に対応し得るのかを、メーカーや販売者へ照会します。綴りや語尾が似ているという理由だけで同義語を作ると、別のものまで避けたり、必要な表示を見落としたりするおそれがあります。症状が出ている場合は、ラベルだけで原因を決めず、医療機関への相談を優先してください。[1][3]

なお、香料アレルゲンの個別表示やその移行期限は、共通成分名称グロッサリーとは制度上の役割が異なります。必要な場合は、EU香料アレルゲン表示の確認方法で分けて確認できます。

買い直すかどうかは、残った不明点を許容できるかで決める

EUの名称基準が更新されたこと自体は、使えている旧品を廃棄したり、急いで新品へ替えたりする理由にはなりません。比較した表示が同じ商品版に属し、差が名称体系の更新で説明できる範囲なら、その背景を理解したうえで通常の価格や配送条件へ進めます。

製品更新を示す情報が重なったときは、以前と同じ中身であることを前提にせず、新しい処方として成分欄を読み直します。さらに、避ける成分があるのに発送品の表示へ到達できないなら、その候補を選ばない。買い直すかどうかを決めるのは「見慣れない言葉が怖いか」ではなく、自分の使用条件に必要な情報が、注文前にそろっているかどうかです。

楽天市場で買い直すなら、手元の旧容器と同じ販売地域・製品版だと判断でき、発送予定品の現行成分欄を読めるページを優先してください。避ける成分がある場合は、掲載画像の新しさを推測せず、現物表示について回答できる販売者を選んでから価格と配送条件を比べると、必要な確かさを保ったまま候補を絞れます。


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出典

  1. EUR-Lex / European Union「Commission Implementing Decision (EU) 2025/1175」2025年7月10日公開:https://eur-lex.europa.eu/eli/dec_impl/2025/1175/oj/eng
  2. EUR-Lex / European Union「Regulation (EC) No 1223/2009 on cosmetic products」2009年12月22日公開:https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2009/1223/oj/eng
  3. Cleo Labs「On 30 July, the EU swaps the reference dictionary every cosmetics label is written against…」2026年7月25日公開:https://www.cleolabs.co/en/blog/eu-cosmetics-inci-glossary-2026
  4. ChemLinked「EU to Enforce Updated Glossary of Common Ingredient Names in July 2026」2025年7月10日公開:https://cosmetic.chemlinked.com/news/cosmetic-news/eu-to-enforce-updated-glossary-of-ingredient-names-in-july-2026
  5. Cosmetics Business「Ingredient glossary compliance deadlines & guide for 2026」2026年1月21日公開:https://cosmeticsbusiness.com/ingredient-glossary-compliance-deadlines-guide-for-2026
  6. 厚生労働省「化粧品の全成分表示の表示方法等について」2001年3月6日公開:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta7768&dataType=1&pageNo=1

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