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避けたい香料成分の名前を販売ページで検索し、見当たらなかったので輸入コスメをカートへ入れる。ところが、同じ商品を買った人の写真には、自分が見たページより長い成分表示が写っている——2026年夏以降は、こうした差を「処方が違う」「販売ページが間違っている」とすぐには決められません。EUで個別表示の対象となる香料アレルゲンが増えた一方、旧表示の在庫も引き続き販売でき、日本向け商品には別の表示方法があるからです。
ここで答えたいのは、成分名をいくつ覚えるかではなく、表示に避けたい名称がないことを、その成分が入っていない根拠にできるのかという問いです。結論からいえば、ラベルの適用時期、成分を個別表示する濃度の線引き、販売市場が分からないままでは、不使用の根拠にはできません。新しい表示は回避対象を探しやすくしますが、名称の数で安全性を順位付けする制度でもありません。[1][2]
表示名が増えたのは、禁止成分が増えたからではない
欧州委員会規則(EU)2023/1545では、科学委員会が追加で特定した56の香料アレルゲンについて、一定濃度を超える場合の個別表示が導入されました。肌などに残るリーブオン製品は0.001%超、洗い流すリンスオフ製品は0.01%超が表示の基準です。[1]
この二つの数値は、使用してよいかどうかを分ける一律の安全基準ではありません。香料成分をまとめた表示だけでなく、個別名も成分一覧へ記載する必要が生じる濃度の線引きです。そのため、新ラベルに名称が増えていても、直ちに以前より刺激の強い処方へ変わったとはいえません。反対に、特定名称が書かれていないことから、含有量が完全にゼロだと読み替えることもできません。
リーブオンとリンスオフで線引きが異なる以上、同じ香料成分名を探す場合でも、香水や肌に残すクリームと、洗い流すヘアケア製品を同じ読み方で比べることはできません。まず商品がどちらの使われ方をするものかを押さえると、数値だけが独り歩きするのを防げます。
対象は香水に限らず、香料を用いるスキンケア、ボディケア、ヘアケアにも及びます。精油や植物由来の芳香成分に含まれる物質も照合対象になり得ると規制対応機関は説明しています。[3] 「自然由来」という説明も、特定の香料アレルゲンが含まれないことの代わりにはなりません。
2026年7月31日を過ぎても、売り場は一斉に新ラベルへ変わらない
輸入コスメ選びを難しくするのは、規則の期限と在庫の入れ替わりに時間差があることです。新要件に未対応の製品は2026年7月31日までEU市場へ置くことが認められ、それ以前に置かれた在庫は2028年7月31日まで販売できます。[1] その一方で、2026年7月31日以降に新たにEU市場へ置かれる対象製品には、拡大後の表示要件への対応が求められます。[2]
したがって、2026年8月以降の売り場には、拡大後の表示を備えた商品と、期限前に市場へ置かれた旧表示の商品が並び得ます。注文日が新しいことや、販売ページが最近更新されたことだけでは、発送品が新ラベルだとは判断できません。見るべき時点は購入日ではなく、その商品がEU市場へ置かれた時期です。
ここで旧表示の商品を一律に不適合とみなすのも適切ではありません。移行期間内に販売できる在庫であれば、個別名が少ないこと自体は違反の証拠にならないからです。ただし、拡大対象となった名称を避けたい購入者にとっては、旧表示から読み取れる情報が足りない場合があります。商品そのものへの評価と、自分の回避条件を判定できるかどうかは分けて考える必要があります。
同じ商品名でも、「名称がない」の意味は販売地域で変わる
EU向けの容器に香料成分の個別名が並んでいても、日本向けラベルでは「香料」とまとめて記載される場合があります。日本では全成分を邦文名で表示することが基本ですが、着香剤として用いる香料は、構成成分を分けずに「香料」と記載して差し支えないとされています。[4]
そのため、日本向け表示がEU向け表示より短くても、香料成分が少ないとは限りません。EU向けの名称が多いことも、処方の危険性が高いという意味にはなりません。さらに日本化粧品工業会は、同じ商品名や似たパッケージでも、販売国の基準や嗜好に応じて中身が調整される場合があると案内しています。[5] 表示方法だけが違うのか、地域に合わせて処方も調整されているのかは、一覧の長さだけでは区別できないのです。
個別名を読みたい人にはEU向け表示の情報量が役立ちますが、移行在庫では新旧を見分ける必要があります。国内正規流通品では同じ個別表示を得られない場合がある一方、国内の問い合わせ先へ相談しやすいことがあります。どちらかを常に優先するのではなく、自分が必要とする回答へ到達しやすい流通経路を選ぶことが、回避対象のある買い物では重要です。
回避対象が決まっているなら、買う前に「表示の空白」を残さない
医療機関などから特定の成分を避けるよう案内されている人は、その名称を起点に候補を絞ります。このとき、販売ページに名称が見当たらないという理由だけで購入を確定すると、旧EU表示、日本向けの一括表示、別市場向けの写真、発送品との世代違いを見落とす可能性があります。
販売者へ尋ねる内容は、規則全体への適合ではなく、自分が注文する品へ絞れます。「掲載中の成分表は現在発送している市場向け・ラベル世代の品に対応しているか」「避けたいこの名称は、発送予定品の表示に記載されているか」と伝えれば、古い商品写真を眺め続けるより、必要な情報へ近づけます。日本名とINCI名の対応が分からないときは、似た綴りを自分で結び付けず、案内された名称をそのまま示します。
ただし、回答が「ラベルには記載されていない」にとどまるなら、完全な不使用まで確認できたとは限りません。個別表示には濃度の線引きがあり、旧表示や日本向け表示では名称が表面に出ない場合もあるためです。求めている条件が「新しいEU表示で個別名がないこと」なのか、「微量を含めて使用していないこと」なのかによって、必要な回答の深さは変わります。
回避条件が厳密なのに、発送品のラベル世代や市場向けが分からず、販売者も対象名称について答えられない商品は、安さや口コミだけで押し切らず候補から外します。これは商品を危険だと断定する判断ではなく、その商品では自分に必要な判定ができないという判断です。国内の問い合わせ先へつながる別流通品や、必要な情報を得られる別候補へ移る余地を残します。
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香りそのものを避けたい人と、特定名称を避ける人では出口が違う
特定の回避対象はなく、香りが苦手だから避けたい人なら、追加された名称を一つずつ調べる必要はありません。「無香料」の候補へ切り替える方が目的に近い場合があります。ただし、日本でいう無香料は香料を成分として配合していないことを示す表現で、原料そのもののにおいまでないという意味ではありません。[5] 香りを感じないことと、特定物質を含まないことも同じ条件ではありません。
一方、これまで問題なく使っている香り付き製品を、表示名称が増えたことだけを理由に捨てたり買い替えたりする必要もありません。回避対象がない人は、顔か体か、肌に残すか洗い流すか、香りを求めるか避けたいかという実際の使い方へ選択を戻せます。新制度を独自の危険度表へ変えないことが、不必要な不安を増やさないための境界になります。
前面の「敏感肌向け」という表示も、個別の回避対象が含まれないことの証明にはなりません。反対に、対象名称が表示されていることだけで、すべての人に異常が起きるとも限りません。商品の印象語ではなく、自分が避ける条件の有無によって、どこまで情報を求めるかを決めます。
届いた容器は、注文前の判断がまだ成立するかを見るために読む
商品が届いたら、肌へつける前に、保存しておいた商品説明や写真と外箱・容器を見比べます。販売ページとは違う言語の表示がある、成分欄の内容が異なる、想定していた販売者情報がないといった食い違いがあれば、そこで一度止めます。見る目的は新ラベルらしさを採点することではなく、購入前に得た回答が手元の品にも当てはまるかを確かめることです。
違いの理由が別市場向け、旧在庫、処方変更のどれなのかを外観だけで推測せず、未使用のまま販売者へ問い合わせます。回避対象について現物まで回答がつながらないなら、注文前と同じく、情報不足の状態で使い始めない選択ができます。
使用中に赤み、かゆみ、腫れなどの異常が出た場合は使用を中止し、症状に応じて専門医へ相談してください。[5] ラベルから原因を決め付けず、相談時に使用品を伝えられるよう、容器と成分表示を保管しておきます。
最後に確かめたいのは、「名前がない」理由を自分の条件に照らして説明できるか
拡大後のEU表示には、以前より多くの香料アレルゲンを個別名で追える利点があります。しかし、濃度の線引きがあり、2028年7月31日までは旧表示在庫も販売でき、日本向けには異なる表示方法があります。したがって、成分欄に名称が見当たらないという一場面だけでは、不使用の結論まで進めません。
特定名称を避ける人は、発送品の市場向けとラベル世代を踏まえて、その名称について必要な回答が得られた候補だけを残します。香りの好みから選ぶ人は、制度上の名称数を競わせず、使用部位や洗い流すかどうかへ戻ります。この二つの出口を混ぜなければ、表示拡大を過剰な安全証明にも不安材料にもせず、自分の買い物に必要な情報として使えます。
楽天市場で候補を比べる前に、避けたい名称がある人は、その商品がリーブオンかリンスオフかを整理し、発送品の市場向けとラベル世代について回答を得られる販売者へ絞ってください。名称が「ない」理由まで自分の回避条件と矛盾しない候補が残ってから、価格、容量、配送条件を比べます。
出典
- European Union, Commission Regulation (EU) 2023/1545 of 26 July 2023 amending Regulation (EC) No 1223/2009 as regards labelling of fragrance allergens in cosmetic products(公開日:2023年7月27日、参照日:2026年8月1日)
- Cosmetics Business, The EU’s cosmetic labelling shake-up – what beauty brands must do before 31 July(公開日:2026年6月24日、参照日:2026年8月1日)
- Obelis Group, Preparing for the July 2026 EU deadline on fragrance allergens disclosure: best practices(公開日:2026年4月13日、参照日:2026年8月1日)
- 厚生労働省, 化粧品の全成分表示の表示方法等について(公開日:2001年3月6日、参照日:2026年8月1日)
- 日本化粧品工業会, 化粧品Q&A(参照日:2026年8月1日)

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